夜寝付けない咳や鼻づまり、また臭い鼻や口で悩まされてはいませんか?
もしかすると、それは蓄膿症(ちくのうしょう)が原因かもしれません。
蓄膿症の症状は風邪の症状に似ているので、そのうち治ると見過ごしていると慢性の蓄膿症になり治療に大変な時間がかかります。
今回は、見過ごしやすい蓄膿症の原因や症状、また改善策について解説していきます。
目 次
蓄膿症(副鼻腔炎)とは
蓄膿症は正式名は「副鼻腔炎」(ふくびこうえん)と呼ばれます。
副鼻腔炎と名前がついている通り、4つある副鼻腔に炎症が起こり膿がたまる病気です。


しかし、炎症により腫れて自然口が狭くなったり、線毛の機能が低下すると菌やウイルスを排出できずに溜まって、副鼻腔内で鼻水と菌がくっつき「膿(うみ)」となり溜まってしまいます。
副鼻腔は鼻腔を取り囲むようにある骨に囲まれたいくつかの空洞の総称です。
この空洞の働きはまだきちんと解明されていません。
「脳への衝撃を空洞のクッションにより和らげる」「声を共鳴させて音を良くする」「頭の重さを和らげる」など色々な説があります。
また、吸気や呼気が自然口を通って通過する事はほとんどありません。
蓄膿症(副鼻腔炎)の種類
蓄膿症には以下のような種類があります。
急性副鼻腔炎
風邪やウイルスなどの影響により、細菌が鼻腔から副鼻腔へと広がり炎症をもたらす軽度な副鼻腔炎の症状。
急性の場合には風邪の治癒や抗生物質などの薬を使用することにより自然に治癒するのが一般的です。
慢性副鼻腔炎
「急性副鼻腔炎」が長引き副鼻腔の粘膜の炎症が長引いた場合は、副鼻腔に排出されない菌やウイルスが「膿(うみ)」として溜まります。これが一般的に言われる蓄膿症です。
また、副鼻腔の粘膜の機能が衰えるので粘膜そのものが腫れ上がり鼻腔との通り道である「自然口」をふさいで炎症が治りにくくなるという悪循環に陥るのも特徴です。
好酸球性副鼻腔炎
好酸球性副鼻腔炎は好酸球と言われる白血球が炎症を起こします。

出典:Wikipedia
症状が悪化すると鼻茸が大きくなり、臭覚神経を圧迫し匂いが分からなくなったり、鼻腔が塞がれ鼻呼吸が困難になったりします。
また、のどの奥へ鼻水が流れ痰が絡んだりする「後鼻漏」(こうびろう)のなどの症状も現れます。
「鼻茸(鼻ポリープ)」は手術で治療ができますが再発する可能性が高く完治が難しい病気です。
副鼻腔真菌症
副鼻腔真菌症は真菌(カビ)が副鼻腔で増加し炎症をおこします。
上顎洞に真菌の塊りが出来て、ひどい悪臭や鼻血・鼻づまり感の症状が現れ、高齢者や抗生剤を利用する事が多い糖尿病疾患の方に多い病気です。
副鼻腔の仕組み
副鼻腔は、左右に2つずつある計8つの空洞のことを言ます。
※蝶形骨洞は篩骨洞の後ろにあります。
上記の空洞のどこかが炎症を起こして、蓄膿症になります。

風邪以外の蓄膿症の原因
蓄膿症になるは、風邪以外にも色々な原因があります。
鼻中隔弯曲症
鼻の形も関係しています。
鼻には「鼻中隔(びちゅうかく)」という、鼻を左右に分けている軟骨と骨から出来ている「鋤骨(じょこつ)があります。

喘息
喘息にかかっている約4割〜6割の方が蓄膿症を合併していると言われています。
また、アスピリンなどの消炎鎮痛剤が影響して発生する「アスピリン喘息」では、鼻茸(鼻ポリープ)を合併している事が多いです。
花粉症・アレルギー性鼻炎
花粉症やアレルギー性鼻炎がある人の約4割が最近では蓄膿症を合併しているといいます。
人間は異物が侵入すると、それを排除しようと身体が働きます。(免疫機能)
この免疫機能が過剰に反応することでアレルギーがおこり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりを起こし「蓄膿症」に発展する場合があります。
虫歯
蓄膿症は虫歯や歯周病が原因となることもあります。
上顎の1番後ろにある歯で、食べ物を食べる時に噛み潰す役割の「大臼歯(だいきゅうし)」は根の先端が上顎洞の近くにあります。
そして、この歯が虫歯や歯周病によって炎症し、上顎洞に炎症が広がって感染して起きた蓄膿症を「歯性上顎洞炎」といいます。
ストレス・タバコ・過度な偏食
ストレスやタバコ、また偏食によっても蓄膿症を引き起こす原因になります。
原因は、ストレスや偏食、タバコにより栄養不足で身体の免疫力が下がり、副鼻腔内の排泄物を外へ出せなくなり蓄膿症になるケースです。
蓄膿症セルフチェック
※上記はあくまでも蓄膿症を判定するものではなく目安となります。
蓄膿症になると、風邪や鼻炎の時よりも黄緑色っぽい粘度の高い鼻水が出ます。
粘度が高いため、鼻をかんでもかみ切れないことが多くなり、さらに鼻がつまってしまうため、鼻声になったり声が出しにくくなるのも特徴です。
風邪や鼻炎とは違いくしゃみは出ませんが、症状がひどい場合は副鼻腔がある辺りが膿によって痛むようになります。
副鼻腔は鼻周辺だけでなく、頬や目の周りにもあるためそこを押すと痛みが生じます。
また、膿が溜まるので、口や鼻からとても嫌な臭いがするのも特徴の一つです。
さらに、痰や喉の方に鼻水が垂れてくることもあり、これらの症状で蓄膿症かどうかを見分けることが出来ます。
病院による蓄膿症の治し方
蓄膿症が疑われる場合、まずは耳鼻科に行き進行の状況や症状を診断してもらいましょう。
病院では、症状に合わせて保存療法や手術療法などで治療を行います。
保存療法には様々な種類があり、副作用の少ないマクロライド系の抗生物質や、抗菌薬を使って治療する薬物療法があります。
ネブライザーによる治療
ネブライザーを使用した局所療法もあります。
ネブライザーは、薬を霧状にし、鼻から直接吸収して副鼻腔を治療する方法です。
これらは鼻の洗浄・膿の吸引をした後に行います。
主に急性の場合はこれらの治療方法が使用されます。
手術療法
手術療法は、症状が重い場合に使用されます。
手術にも種類があり、外科手術では歯茎にメスを入れ頬の骨を削り、膿を取り除いて炎症している粘膜を除去します。
これは頬に膿が溜まっている場合で、どの副鼻腔に膿が溜まっているかによって変わってきます。
内視鏡手術では、現在主流になっている内視鏡下副鼻腔手術を行います。
内視鏡を鼻から入れ、空気の通り道を広く広げます。
その後、マイクロデブリッターという器具を使って、膿や炎症している箇所を除去します。
外科手術よりも痛みが少なくなっており、この方法を使えば1~2週間の入院や、病院によっては日帰り手術となることもあります。
自宅で出来る蓄膿症の予防
蓄膿症を自宅で出来る改善方法もあります。
健康的な食事に加えて行う事で蓄膿症の早期の改善に役立ちます。
小さいお子様や高齢者の方は、病院での悪化した蓄膿症の長い治療は非常に大変です。
自宅でも効果的に予防することで蓄膿症の早期の改善につながります。
鼻うがい
鼻うがいは内部を綺麗にするだけでなく、ウイルスなども洗い流してくれるので効果的です。
やり方は簡単で、ぬるま湯で作った生理食塩水を鼻から入れ、「えー」と言いながら口から出します。
これだけでも十分な予防となります。
注意点は、水道水をそのまま使用しないことです。
そのまま使用すると、鼻に入れた際にツーンとした痛みが生じるので、生理食塩水の使用をオススメします。
また、小さいお子様や高齢者のは機械で鼻うがいをするのもお勧めです。
上記は、耳鼻科医と共同開発された鼻洗浄器で痛みがなく使用でき、口コミも好評です。
漢方薬
漢方薬だけで蓄膿症の完治は難しいですが、蓄膿症の改善や悪化を抑えるのに効果的です。
- 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
- 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
- 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
上記の3つは蓄膿症に効果的で一般的に使われています。
メチル化カテキンを摂取する
喘息・花粉症・アレルギー性鼻炎の方に特にお勧めするのが最近の研究によって明らかになった「メチル化カテキン」を摂取する事です。
この「メチル化カテキン」は、アレルギーの原因となるアレルゲンを摂取すると放出される「ヒスタミン」を抑制する効果がある事が明らかになりました。
この事は「世界一受けたい授業」でも特集をくまれましたが、現代人にアレルギーが多く見られるのは、昔のように普段から日常的に毎日をお茶を飲む人が少なくなった事にも関係しています。
現代人は昔の人と体質が違いアレルギーに対抗する力が弱くなっているのです。
この事によりお茶が見直されていますが、市販にみられる中国製の茶葉や薬品を使用しないで作られている安全性の高い「アレルギーユーザーの使用者満足度98%の【白井田七。茶】」は「美味しんぼ」でも取り上げられ、完全無農薬で栽培し品質にこだわっている事から、子供や家族の健康を大切にしてい方から大変人気になっています。

まとめ
蓄膿症にならないためには、風邪や鼻炎の症状を長引かせないことが必要です。
また、慢性的な蓄膿症になってしまった場合は病院での治療でも長期になる事を覚悟しなくてはなりません。
日頃から、蓄膿症の予防や悪循環にしない為に日常の生活を見直していくのが大切です。