【将棋のプロ棋士にるには】収入の仕組みやプロになる年間の人数と奨励会について

将棋のプロ棋士になるには

将棋と言えば、永世七冠という偉業を達成した羽生名人や、公式戦通算50勝を記録した藤井聡太四段、ひふみんこと加藤一二三さんが最近ではよく話題になります。

活躍する姿を見て、将来は将棋のプロの棋士になりたいと思うお子さんも多いと思いますが、実際仕組みは複雑です。
今回はプロ棋士になるための方法やプロ棋士の仕事についてまとめてみたいと思います。

プロ棋士になる方法

将棋のプロ棋士になるということは、自分の腕前で生計を立てていかなくてはなりません。

スポーツや競技などのプロの世界は、なりたいと夢を描いてもすぐにプロになれるような甘いものではない事は皆さんご存知だと思いますが、
特にプロの棋士になるのは、色々あるプロの中でも一番なるのが難しいのではないかと言われているくらい厳しい世界です。

しかし、本当に将棋が好きであれば厳しい戦いを制してプロになる事が出来れば、好きな将棋だけで生計を立てる事が出来るようになります。

1つ目の方法|「奨励会」へ入会

1つ目の方法は日本将棋連盟が主催の「新進棋士奨励会」に入ることです。
プロ棋士を目指す多くの者は、関東と関西にあるこの2つの奨励会のいずれかに入るというのが現在の主流となっています。

「奨励会」は将棋のプロになる為のプロ棋士の養成機関で、将棋の専門学校という感じでしょうか。
ただ、専門学校とは違い奨励会はとても厳しいと言う事で有名で、奨励会に入ってプロになる事が出来るのは2割と言われています。

また、奨励会自体に入会する事も非常に難しく、小学生から入会するのが一般的です。

奨励会に入会する為に、日本将棋連盟が運営している関東、関西、東海、九州の4箇所にある「研修会」(将棋教室)や、奨励会の入会を目的とした将棋教室などに通い腕を磨いています。

奨励会の入会条件は、基本的に四段以上のプロの棋士から推薦を受けなければなりません。
推薦を受けたのち、毎年1回、8月に開催される奨励会の入会試験に合格して入会となります。

年齢も決まっており、優勝経験がなく推薦を受けた場合は、満19歳以下でなければなりません。
この場合、年齢により受験できる級位が決まっており、満15歳以下ならば6級以上、満16歳以下ならば5級以上などとなっています。

推薦を貰えなかった場合でも試験を受けることはできますが、年齢は満15歳以下となります。

さらに、日本将棋連盟が主催する小・中学生の全国大会でベスト4に入ったことがあるか、日本将棋連盟研修会でC1のクラスに入っていなければなりません。

満19歳を超えていても受験することができ、初段や三段を受験できます。

初段を受ける場合はアマチュア公式戦の全国大会で、優勝もしくは準優勝しており、四段以上のプロ棋士から推薦を受けていなければなりません。

三段を受ける場合は、過去1年間のアマチュア棋戦6大会を優勝し、四段以上のプロ棋士から推薦を受けることが必要となります。

奨励会には満29歳までしか在籍することができず、23歳までに初段、26歳までに四段へと昇格できなければ退会となってしまいます。

2つ目の方法|プロ編入制度の利用

この制度を利用してプロになるには、現在のプロ公式戦で10勝以上及び6割5分以上の成績を収めていなければなりません。
さらに、四段以上のプロ棋士から推薦を受けていることで、プロ編入試験を受けることが出来ます。

この制度には年齢制限はありません。

しかし、奨励会に入るよりもかなり難しいと言えます。
この制度を使ってプロになった人は、瀬川晶司プロと花村元司プロの2人です。
瀬川プロは日本将棋連盟に嘆願書を提出し、試験を受けてプロになりました。

プロ棋士の仕事

将棋のプロ棋士になるためには
プロ棋士の主な仕事は対局となります。
名人戦や竜王戦といったタイトル戦を中心に対局を行っていきます。

タイトル戦によく出ている棋士でも、対局は年間100局もありません。
あまり出ていない棋士になると、30局ほどが平均となります。

しかし、対局のない日にも仲間と共に研究会を開いて研究を行います。
最近では、パソコンを使って将棋の研究を行う棋士も多くなっています。

それ以外にも、将棋の解説や講演、書籍を書くなどの仕事もあります。

また、将棋教室で教える事も重要な仕事です。

将棋連盟に所属しているため、将棋の普及活動も行うようになります。
立場が上になってくると、立会人という仕事も行うようになります。

この仕事は対局開始の宣言や対局中のトラブルの解決などを行う仕事です。
この様に、対局以外にも様々な仕事も行うようになります。

プロ棋士の年収

プロ棋士になると言っても、気になるのは収入面です。
どのような収入源があるかみていきます。

棋戦・タイトル戦による収入

プロ棋士の主な収入は、棋戦での賞金や対局料になります。

棋戦やタイトル戦で勝つ事が出来ればもちろんその賞金は凄い金額になりますし、優勝しなくても勝ち進む事で一戦一戦で対局料が支払われます。
対局料はその棋戦により変わってきますが、1局に対して1〜10万円と言われています。
また、タイトルを決める対局まで勝ち進む事が出来れば負けた場合でも、タイトル戦によってはある程度の金額が対局料として支払われます。

詳しいタイトル戦などの詳しい対局料の賞金をまとめた記事も良かったらご覧下さい。

永世七冠の条件や今後の可能性は?[図解]タイトルの賞金額と棋戦種類

2017.12.13

対局するだけで収入があるというと、対局数を増やせば負けても収入は増える?のかと言うとそうではありません。

勿論そんな甘い世界ではなく、他のスポーツなどのように年間の対戦数が決まっているわけでもなければ、棋士が対局を自由に組めるわけでもなく、対局に勝つ事で次の対局があるというトーナメント戦なので勝つ事ができなければ対局する事自体が少なくなる厳しい世界です。

そして、プロ棋士の中でも賞金と対局料が1千万を超えるのは、プロ棋士全体の約1割ほどです。

そして、その賞金は主に新聞社などのスポンサー企業から支払われています。
将棋のファン層は、今も昔も変わらず一定レベルの人気を保ち、メディア企業にとってもスポンサーになり盛り上げる事でメリットとなるのです。

プロ棋士にはお給料やボーナスも

また、実はサラリーマンのように基本給も支払われます。
この基本給は日本将棋連盟から支払われていて、級のランクによって支払われる金額が変わってきます。

棋士はこの級を決める順位戦で必ず戦う事になっており、各クラスごとにリーグ戦で戦い決められた定員枠分の昇級や降級が行われています。

将棋の奨励会の階級の図
【名人】100〜200万程度
【A級】65万程度
【B1級】50万程度
【B2級】30万程度
【C1級】20万程度
【C2級】15万程度
フリークラスは10万程度
となっています。
始めはフリークラスからスタートして順位戦によって階級を上げて行きます。
また、基本は階級での基本給となりますが、階級が上がりA級になり、その後B級1組に降級になったとしてもすぐに基本給が変更されるわけではなく、元のA級に復帰する事や経験年数なども考慮され、減給になるにはある程度の期間の猶予があります。

また、基本のお給料の他にも「氷代」と「餅代」と言われるボーナスが年に2回あり、基本給の2ヶ月分程度支給されます。

氷代・・・暑い夏の氷代として
餅代・・・正月の餅代として
「お金」という表現は使われず上記の様な雅語(がご)を使い、上品な言葉で表現されていました。

指導料やイベント料等

賞金や対局料以外にも収入源はあり、将棋のイベントの参加やアマチュア棋士への対局指導などがあります。

また、テレビ出演や講演料、または書籍等で収入を得ることも出来ますが、これは一部の強い棋士または人気がある棋士にならなければ依頼がくることが難しいと言えます。

基本給の事を考えると、プロ棋士になる事が出来れば最低の級でも少なくとも年収200万程は貰うことが出来るのではないでしょうか。
平均的な棋士は大体500万〜700万とされていますので、プロ棋士になれば普通のサラリーマン程度の収入は棋戦で勝つ事が出来なくても得られる訳です。

ただ、プロ棋士になれるのは年間で4名ほどでかなり狭き門となります。